NEDO Web Magazine
【3つのカーボンリサイクル実証研究拠点】

①実証研究エリア

屋外の敷地にCO2等を供給するインフラを整備。事業者がそれぞれ必要な設備を設置し、カーボンリサイクル技術の経済性やCO2削減効果等を評価するための実証研究を行う。

②基礎研究エリア

六つの研究室からなる基礎研究棟と、分析室や会議室を備えた共用棟で構成。将来のカーボンリサイクル技術の要素技術の確立に向けた基礎研究・先導研究を行う。

③藻類研究エリア

微細藻類の培養・分析に必要な設備を完備。微細藻類を原料とするバイオジェット燃料の製造技術確立を支援する測定・分析手法や条件設定等の標準化に取り組む。

発電所から排出されるCO<sub>2</sub>をカーボンリサイクルの研究に活用 カーボンリサイクル技術の開発に多方面から挑む、日本初の実証実験拠点が完成。

二酸化炭素を資源として有効活用するカーボンリサイクル技術は、世界が目指すカーボンニュートラルを実現するためのキーテクノロジーであり、その研究開発をさらに加速する必要性はますます高まっています。多くのエネルギーを火力発電に頼る日本では、最先端のCO2削減・回収技術が進んでおり、さらに回収したCO2を製品化して有効活用する技術の研究開発も進められています。

NEDOと大崎クールジェン株式会社は、石炭ガス化複合発電とCO2の分離・回収技術を組み合わせた次世代火力発電の実証実験を、大崎発電所内(広島県大崎上島町)で行ってきました。さらに、カーボンリサイクル技術の確立に向け、2020年から同地においてカーボンリサイクル実証研究拠点の整備に着工し、順次運用をスタート。2022年5月にすべてのエリアが完成し、本格的な運用を開始しました。

今回の実証実験拠点は、隣接する大崎発電所での実証研究で分離・回収したCO2をパイプラインで直接供給し、カーボンリサイクル技術の研究に利用できる日本初の施設となります。将来、実用化された時と同等の条件下で研究開発や実証試験ができることが大きなメリットです。

総敷地面積14,300㎡の本実証研究拠点は、「実証研究エリア」「基礎研究エリア」「藻類研究エリア」の3つのエリアからなり、現在、実証研究エリア・基礎研究エリアでは「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発事業」、藻類研究エリアでは「バイオジェット燃料生産技術開発事業」が進められています。

本実証実験拠点の整備により、日本が誇る世界最先端のカーボンリサイクル技術の研究開発を効率的・集中的に進め、早期の実用化を目指します。同時に、本拠点を「ショーケース」として世界中にアピールし、海外の研究者との情報交換や連携を促進します。NEDOは、次世代火力発電とカーボンリサイクル技術の実用化を進め、カーボンニュートラルの実現に貢献します。

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