NEDO Web Magazine

広報誌 Focus NEDO 91号

03.

未来を切り拓く実証施設 バイオファウンドリ研究所(千葉県茂原市)

バイオ由来製品の実用化へ

「バイオファウンドリ研究所(千葉県茂原市)」

バイオファウンドリ研究所(千葉県茂原市)バイオファウンドリ研究所(千葉県茂原市)

MISSION

バイオ生産プロセスを確立し、世界最先端のバイオエコノミー社会を目指せ!

微生物や植物等の生物を用いてさまざまな物質を生産する「バイオものづくり」は、従来の化学プロセスよりも省エネルギー・低コストで、CO2排出量の削減やカーボンリサイクル、炭素循環型経済(バイオエコノミー)の実現に貢献する技術として注目されています。バイオものづくりは日本が競争力を発揮できる分野であり、政府が策定した「バイオ戦略2020」に基づいて、世界最先端のバイオエコノミー社会の実現を目指した、さまざまな取り組みが進められています。

しかし、バイオマス資源の原料化やスケールアップに関する技術開発の難しさやコスト高が壁となり、実用化に至らないケースも数多くあります。また、製造拠点の海外移転や、「匠の技」とも言われるバイオ生産の熟練の技術を持つ人材の高齢化に伴い、技術の継承や自動化も課題となっています。

こうした背景を受け、NEDOとGreen Earth Institute株式会社は「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発事業」の一環として、2021年度から千葉県茂原市にバイオ生産実証を推進する拠点づくりを進めており、2023年6月、「バイオファウンドリ研究所」が本格的に始動しました。

最大3000Lの発酵槽を備える「バイオファウンドリ研究所」は、スタートアップ企業や大学・公的研究機関がラボで開発した有用なスマートセルを培養・精製し、産業用物質生産プロセスの最適化やスケールアップの検証等ができる技術・設備を提供することで、製品実用化への橋渡しをすることを目的としています。今後は、2026年度までに精製設備を順次導入すると同時に、本拠点を活用してバイオ生産実証を行う企業や大学・研究機関を募集します。さらに、発酵生産プロセスにおける最適化・スケールアップおよび数値流体解析(CFD)等の解説、本拠点設備を用いた発酵生産プロセスの運転実習といった人材育成プログラムも行っていく予定です。

NEDOは、本拠点でバイオものづくりに関する技術と人材育成の整備を進め、バイオとデジタルの融合を基盤とするバイオエコノミー社会の実現と環境保全に貢献します。

※これまで利用し得なかった生物機能を引き出し、目的とする物質の製造機能を合理的に高めた細胞

バイオファウンドリ研究所(千葉県茂原市)外観バイオファウンドリ研究所(千葉県茂原市)外観
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