NEDO Web Magazine

広報誌 Focus NEDO 90号

02.

特集|再エネ主力電源化の実現へ!知っておきたい、次世代電力ネットワーク

Team Grid

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再エネ大量導入に向けた技術開発にチームの総力を傾けてチャレンジ!

カーボンニュートラルに向けた取り組みの中で、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の大量導入は必須の要素です。しかし、再エネを主力電源にするためには、クリアしなければならない課題があります。コストの問題や環境への影響の問題はもちろん、電力の安定供給にとって最も重要なことは需要(使われる電力量)と供給(発電量)のバランスを取ることです。このバランスが崩れてしまうと、最悪の場合、大規模停電につながってしまいます。また、再エネ由来の電気は、その発電量が天候や気象条件に左右されやすいことから、需給バランスが崩れることを防ぐために、現在は火力発電等で発電量を調整しています。このように、既存の送配電網へより多くの再エネを受け入れていくためには、需給のバランスの問題を含めてさまざまな課題を解決していく必要があります。

NEDOは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、再エネを大量導入できるように、さまざまなプロジェクトを立ち上げ、チームのメンバーが総力を挙げて課題の解決に取り組んでいます。中でも、スマートコミュニティ・エネルギーシステム部の系統連系グループでは、電力系統に関わる分野を担当し、再エネ大量導入に向けた次世代電力ネットワーク技術に関する研究開発を実施しています。

6ページからは、現在、研究開発が進んでいる4つの事業の中から、2019年度に開始した「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発」プロジェクトをご紹介します。再エネ由来の電力を、できる限り低コストで利用するため、既存の設備を最大限に活用していく制御システムの開発と実証の取り組み、「日本版コネクト&マネージ」というテーマについて、分かりやすく説明します。

再エネ主力電源化のイメージ

現在、進行している代表的なプロジェクト

再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発事業期間 : 2019~2023年度
多用途多端子直流送電システムの基盤技術開発事業期間 : 2020~2025年度
再生可能エネルギーの主力電源化に向けた次々世代電力ネットワーク安定化技術開発(STREAMプロジェクト)事業期間 : 2022~2026年度
電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発(FLEX DERプロジェクト)事業期間 : 2022~2026年度

※1 電力用半導体素子のスイッチング作用を利用して、直流電力を交流電力に変換する装置
※2 送電を高電圧の「直流」で行うシステム。送電ロスが少なく、長距離でも大量に送電できる上、周波数が異なる系統の連系にも適している

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