NEDO Web Magazine
量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業

量子技術とAI技術の融合

将来的に経済や社会に大きな変革をもたらす革新的な技術として、国際的に注目が高まっている量子技術。日本では、2022年4月に内閣府が策定した「量子未来社会ビジョン」の中で、量子技術とAI(従来型技術)を融合し、産業化や社会課題の解決を目指していくことが示されています。NEDOは、2023年度から従来技術では達成困難な生産性の向上や産業競争力の維持・向上を目指し、量子技術とAI技術を組み合わせた「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」を実施します。ロボット・AI部の江下主査は「量子技術自体の研究開発が現在進行形で取り組まれており、量子技術が社会課題解決に貢献する絵姿を現時点で明確に描けているプレーヤーはまだ少ないと言われています。このプロジェクトを通じて社会課題解決によるアウトカム達成までの道筋をより精緻に描けるように進めていきたい」と展望を語りました。

江下 尚彦 ESHITA Naohiko

NEDO ロボット・AI部 主査

Project 量子・AIアプリケーション開発・実証

例えばAIで「予測」し量子技術で「最適化」するように、量子技術とAIを組み合わせて活用する“量子・AIハイブリッド技術”によって従来技術と比べてさらなる計算能力の向上やデータ利活用の高度化等が期待できます。

そこで、「素材開発」「製造」「物流・交通」の分野で、従来技術では解決困難な規模や複雑さを有するビジネス課題に対応可能な、量子・AIハイブリッド技術を活用したアプリケーションの開発・実証に取り組み、生産性の向上や省エネルギー化に資するユースケース創出の実現を目指します。

Project 量子・AIの最適化等に向けたライブラリ開発

量子・AIアプリケーション開発によって、量子・AIハイブリッド技術発展と新たなサービス・市場創出が好循環をなすことが望まれます。そのためには、量子・AIアプリケーション開発が効率良く行われる必要があります。

そこで、単一および複数の分野で共通して使用できる、量子・AIハイブリッド技術を活用したアルゴリズム等で構成する“共通ライブラリ”の開発に取り組むとともに、これを広く普及させることで、量子・AIアプリケーション開発の飛躍的な促進を目指します。

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