NEDO Web Magazine

PICK UP NEWS

日本から世界へ発信!東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021 REPORT 2021年10月4日(月)~8日(金)に開催しました

5日にわたり、脱炭素社会に向けた8つの国際会議で
さまざまな議論や情報交換が行われました。その成果をご紹介します。

世界共通の喫緊の課題である気候変動問題。CO2排出削減に向けた実効的な取り組みを進めていくためには、各国が置かれた多様な実態を踏まえた上で、幅広い技術やエネルギー源を活用したトランジション(移行)を加速していくことが不可欠です。さらに、革新的なイノベーションの創出と社会実装により、経済と環境の好循環を生み出す新たな成長機会につなげていくことも共通の課題となっています。

日本は、世界全体のカーボンニュートラル実現と過去のストックベースでのCO2削減(ビヨンド・ゼロ)に向けた取り組みを推進しており、その一環として、環境関連の国際会議を集中的に行う「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」を開催しました。経済産業省とNEDOは、「第3回カーボンリサイクル産学官国際会議2021」「第4回水素閣僚会議」「第8回ICEF2021」をオンラインで実施。ビヨンド・ゼロ実現に向けた幅広い議論を行い、現実的かつ具体的な道筋や絵姿を世界に対して発信しました。アジアのグリーン成長等の分野横断的な議論とあわせ、日本が世界に先駆けて取り組んでいる技術的知見を各国と共有していくことで、国際的な議論や連携をリードするプラットフォームとして世界全体のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。

REPORT.1 東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021

第3回カーボンリサイクル
産学官国際会議2021
SUMMARY

世界のカーボンニュートラル実現のキーテクノロジーであるカーボンリサイクルについて、日本の取り組みの進捗等を発信するとともに、世界各国の革新的な取り組みや最新の知見を共有し、社会実装に向けて議論を行う会議です。世界規模の産学官のネットワークと国際連携の強化、社会実装に向けた技術開発の加速化を目指します。

今回、経済産業省とアメリカ・オーストラリアとのカーボンリサイクル協力覚書に基づき、日米豪3カ国からカーボンリサイクル技術の第一人者が初めて集まり、先進的な技術開発の取り組みを紹介するとともに、国際的なオープンイノベーションを進めることに合意しました。

また国内外から、CO2を資源として活用するカーボンリサイクル分野(コンクリート・セメント、燃料・化学品、研究開発・投資)における産学官の第一人者が集まり、講演やパネルディスカッションを実施。32の国・地域から約2800名が参加する中、カーボンリサイクルの社会実装に向けた今後の方向性を確認しました。

日本は、直近1年間の取り組みとして「グリーン成長戦略カーボンリサイクル実行計画」の策定や「カーボンリサイクル技術ロードマップ」の改訂等の進捗を取りまとめた「プログレスレポート」を発信。今後は国際連携を強化しつつ、社会実装に向けた技術開発・実証に取り組んでいきます。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211013002/20211013002.html)を加工して作成

主催:経済産業省、NEDO

REPORT.2 東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021

第4回水素閣僚会議
SUMMARY

水素閣僚会議は、水素の利活用をグローバルな規模で推進し、関係各国が歩調を合わせ一層の連携を図る場として、2018年に世界で初めて日本で開催されました。オンラインで行われた今回の会議では、水素社会実現に向けた世界の気運を引き続き維持拡大するため、各国の水素社会構築に向けた取り組みを共有し、国際連携のより一層の強化を図りました。

化石燃料の代替エネルギーとして大きく期待されている水素。今回の水素閣僚会議では、18人の閣僚を含む29の国・地域・国際機関等の代表者、各企業の代表者が参加し、世界で加速する水素関連の取り組みや課題、今後の方向性について共有しました。

閣僚セッションと民間セッションの2部で構成された会議には、約3200人がオンラインで参加。閣僚セッションでは、IEA(国際エネルギー機関)のファティ・ビロル事務局長による基調講演の他、参加国・地域・国際機関の代表者が、水素生産ポテンシャル調査や各水素プロジェクトの進捗状況、水素の取引を円滑にするための制度や規制等について発表を行いました。

民間セッションでは、水素の供給や利活用に取り組む企業や地域のリーダーによる講演を実施。水素サプライチェーン、先進的な地域水素社会モデル、燃料電池モジュール、水電解に向けた取り組みの事例が紹介され、世界の最新動向や水素の利用拡大に向けた展望について活発に意見が交わされました。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211013002/20211013002.html)を加工して作成

主催:経済産業省、NEDO

REPORT.3 東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021

第8回ICEF2021
SUMMARY

世界のリーダーが一堂に会して、技術イノベーションによる気候変動対策を協議する場として毎年東京で開催しています。会議では専門知識を持つ民間セクター・学界・政府の関係者による討論や、有識者による講演等を実施。参加者だけでなく、より広範囲の人々に向けて革新的なエネルギー・環境技術を発信することを目的としています。

経済産業省とNEDOが開催した第8回ICEF年次総会は、87の国・地域から2000人以上が参加登録し、「2050年カーボンニュートラルへのそれぞれの道筋:グローバルな脱炭素化の加速」をテーマに、気候変動問題解決に向けたイノベーションの重要性について議論を行いました。2021年は2050年時に社会の中心を担う35歳以下の若手世代も各セッションに登壇。2050年カーボンニュートラルを達成するための具体的かつ現実的な手段に焦点を絞り、ステークホルダー・政府・企業・個人それぞれの視点からさまざまな意見が交わされました。

サイドイベントでは、NEDOの新領域・ムーンショット部によるDAC(Direct Air Capture:CO2を直接回収して有効利用する技術)とCO2利用の将来展望についての議論が行われました。各国・地域の実情に合わせた多様な道筋の重要性、5つの技術分野における開発・導入の見通し等が議論され、その成果を盛り込んだICEFステートメントが採択されました。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211013002/20211013002.html)を加工して作成

主催:経済産業省、NEDO

OTHER EVENTS 東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021

第10回LNG産消会議

世界のエネルギー安定供給と持続的成長を支えてきたLNG。さらに重要性を増すLNGの役割やクリーンな利用について議論を深め、産消国双方のさらなる連携の必要性を確認しました。

特設サイトはこちら
第1回燃料アンモニア国際会議

燃料アンモニア関係国・企業・関係機関がオンライン上で一堂に会し、国際連携を図ると同時に、地球温暖化対策に有効な燃料アンモニアの需給拡大に向けた取り組みについて議論しました。

特設サイトはこちら
第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合

アジアを中心とする新興国の経済成長と脱炭素化を同時実現するため、現実的で多様なエネルギートランジションの加速化とそれを支えるファイナンスの必要性について意見が交わされました。

特設サイトはこちら
第3回TCFDサミット

環境と成長の好循環の加速に向けて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言を定着させるため、産業界・金融界のリーダーがTCFDの課題や今後の方向性を議論しました。

特設サイトはこちら
第3回RD20

G20のクリーンエネルギー分野の研究機関のリーダーが参加。国際共同研究の推進、人材の能力開発、知的財産の重要性等を盛り込んだリーダーズ・ステートメントが採択されました。

特設サイトはこちら
Top