日本の産業技術力を高め、世界と戦えるプレイヤーの育成を目指して。
日本の産業技術力を高め、
世界と戦えるプレイヤーの
育成を目指して。
イノベーションを起こすためには、技術を育てる仕組みが必要です。
NEDOは技術シーズの発掘の段階から積極的な支援を行い、世界へはばたくスタートアップを応援しています。
― NEDOのスタートアップ支援にはどのような役割があるのでしょうか。事業の特徴を教えてください。
NEDOのミッションは産業技術力の強化であり、その達成のための一つの手段が研究開発型スタートアップ支援事業です。特に、機械や材料のように、開発から社会実装まで時間がかかる分野はリスクが高く、民間の投資が集まりにくいため、NEDOは、こうしたものづくりで起業する人を支え、社会実装までをサポートする役割を重視しています。しかし、いかに優れた技術であっても、それがすぐビジネスの成功につながるとは限りません。そこで技術のアイデア段階から、経験豊富なメンターが、ビジネスとして成立するためのアドバイスを親身になって行っています。
― 参加するスタートアップの研究開発分野に変化はありますか。
近年の傾向としては、SDGsを意識した社会課題の解決、それも世界的な課題の解決に取り組む提案が増えてきたと感じています。今後予想される食糧危機の解決につながる技術や再生医療、新エネルギーや環境等、さまざまなフロンティアがあります。こうした社会課題への挑戦は、研究を続けてきた技術を社会に役立てたいという熱意の表れであり、片や大きなビジネスチャンスの入り口でもあります。グローバルな課題を含むビジネスは、規制や制度といった他律的要因が影響し、成功を得るまでには時間がかかるのですが、それだけに大きな可能性が眠る分野でもあり、今後の盛り上がりに期待し、支援したいと考えています。
― オープンイノベーションの活性化についても、 取り組みを進めていますか。
NEDOは、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)の事務局を務めるなど、オープンイノベーションを活性化する取り組みも進めています。地方には、オープンイノベーションに着手していない、あるいは存在を知らない企業もまだ多く、スタートアップの活力を取り入れることで地方の経済を支える中堅・中小企業の活動がもっと活発になってほしいと思っています。
また、政府系9機関※によるスタートアップ支援機関プラットフォーム「Plus(Platform for unified support for startups)」においても、スタートアップエコシステムの拠点都市と連携し、NEDOがワンストップの窓口となって、スタートアップ企業から助成金や経営の相談を受け、相談内容に応じて支援機関を紹介しています。
― 最後に、今後の目標について聞かせてください。
NEDOの支援制度をご存じない方がまだまだ多く、全国のスタートアップにアピールし、理解を広めることが直近の課題です。また、真に世界で戦える企業になるために、起業の初期段階から、グローバルな展開への道筋をつくりたいと考えています。
今後もNEDOは、日本の国際的な産業技術力の強化に貢献するため、スタートアップを取り巻く環境を支えることに努めます。