特集
イノベーション創出を加速
スタートアップ支援
NEDOは、日本の未来を創るイノベーションを促進するため優れたアイデア・技術を事業化に結び付ける支援をしています。
シーズ発掘から実用化まで一貫した支援策を紹介します。
豊富な支援実績を持つ「研究開発型スタートアップ支援事業」
NEDOは1995年から20年以上にわたり、研究開発型のスタートアップや中小企業を支援しています。これまでの支援実績は2,000社以上になりました。「研究開発型スタートアップ支援事業」を開始した2014年度から2019年度までの投資額は93.4億円で、NEDOが支援する事業者への民間からの投資は576億円あり、投資市場でも有望視されていることが分かります。
NEDOのスタートアップ支援には、いくつかのステップがあり、最初のステップが「TCP(NEDO Technology Commercialization Program)」です。TCPではビジネスプラン作成研修やメンターからの助言、ピッチコンテストで投資家とのマッチングの機会を提供します。ピッチコンテストを勝ち抜いた企画は、「NEP(NEDO Entrepreneurs Program)」のステージに進みます。ここではカタライザーによるメンタリングを受けながら、PoC(Proof of Concept:概念実証)やプロトタイプを短期間でブラッシュアップしていきます。
次の「STS(Seed-stageTechnology-based Startups)」では、サービスや製品の事業化に向けた本格的な開発段階に進みます。STSは、NEDOとベンチャーキャピタル(VC)による協調支援が特徴となっていて、研究開発にかかる費用の2/3以下をNEDOが、1/3以上をVCが出資して事業化のための助成を行います。最終段階では「PCA(Product Commercialization Alliance)」として、提案から数年で継続的な売り上げをたてる計画に対して、例えば量産一歩手前の開発支援やサプライチェーンの不足している部分を事業会社と連携するなどの支援を行い、事業化を後押しします。
助成額は、NEPタイプAで 500万円未満、NEPタイプBで3,000万円以内(定額。消費税は自己負担)、STSで7,000万円以内もしくは2億円以内(助成率2/3)、PCAでは2.5億円(助成率2/3)です。
また、「TRY(Promotion of Technology Startups that Innovatively Respond to Economic Changes to Yield Social Benefits)」では、経済構造の転換に役立つ研究開発型スタートアップ企業の事業転換を支援しています。これはコロナ禍以降のニューノーマルと言われる市場の変化をチャンスと捉え、社会的にもインパクトが大きい事業転換を目指す研究開発型スタートアップを支援するものです。
NEDOは、これら全てのステージで支援を行うほか、事業化後の展示会への出展やイベント参加を呼びかけ、支援後の課題やニーズに合わせて他の機関につなぐなど、成長を長期的な視点でサポートしています。次ページからは、NEDOの支援事業の狙い、NEDOの助成を利用してIPOに成功した企業を紹介します。