窒素化合物を回収、資源転換、無害化する技術の開発
人間活動に由来する窒素化合物は、プラネタリーバウンダリーの研究において、その排出量が地球の限界値を超えた非常にリスクの高い状態にあると報告されています。具体的には、窒素化合物が環境中へ排出されることによる湖沼や海域の富栄養化、酸性雨や、亜酸化窒素(N2O)による温暖化などの影響が懸念されています。
ムーンショット型研究開発事業では、従来の技術では回収が困難とされていた、排ガスや排水中に含まれている極低濃度の窒素化合物を回収し、資源に転換、無害化する技術の開発を行います。
産業活動由来の希薄な窒素化合物の循環技術創出ープラネタリーバウンダリー問題の解決に向けて
川本 徹 氏
産業技術総合研究所 材料・化学領域 ナノ材料研究部門
研究グループ長
■排ガス中のNOxを有価資源であるNH3に変換する技術の開発
■廃水中の有害窒素化合物もアンモニア資源として変換・回収
産業技術総合研究所、東京大学、早稲田大学、東京農工大学、
神戸大学、大阪大学、山口大学、協和発酵バイオ株式会社、
株式会社アストム、東洋紡株式会社、株式会社フソウ、宇部興産株式会社
窒素資源循環社会を実現するための希薄反応性窒素の回収・除去技術開発
脇原 徹 氏
東京大学大学院 工学系研究科
教授
■ゼオライトの精緻な構造・組成制御を実現し、高度な選択性と活性・耐久性を両立するSCR注9システムを開発
■極低濃度アンモニアを選択的に回収・濃縮する吸着剤を開発
東京大学、産業技術総合研究所、
一般財団法人ファインセラミックスセンター、三菱ケミカル株式会社
注9 Selective Catalytic Reduction:選択触媒還元