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コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション

2020年4月に特別チームを立ち上げ、6月に公表した短信レポート
「コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像」。
コロナ禍後の日本の産業再生を見据えた、社会の変化やデジタル化推進の重要性について、ご紹介します。

コロナ禍がもたらした社会変革

社会の変化を捉えて未来につなげるレポート

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、感染を予防しながら経済活動を続ける「新しい社会様式」の実現が求められています。そこでNEDOは、コロナ禍後の社会変化がどうなるのか、コロナ禍前の社会活動の基盤を改めて振り返りつつ、これから社会が求める技術開発で何をすべきかを整理し、2020年6月に短信レポート「コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像」を公表しました。
 レポートの作成にあたったNEDO TSCの伊藤デジタルイノベーションユニット長は、「新型コロナウイルス感染症の収束が読めない状況でしたが、どのようなシナリオになってもデジタル化が重要だと。それによって共通して起きる社会変化は、多くの方が漠然と感じており、情報を整理して公表することで、変化を受け入れながら新しい取り組みに挑み、イノベーションを生み出そうという思いを込めました」と語ります。
 「今何が起こっているのか」「コロナ禍後の社会はどうなるか」「コロナ禍後の社会に期待されるイノベーション像」について、国内外120人の有識者による社会変化予測を統合・整理し、見えてきた「新しい社会像、社会的価値観」。これを、「デジタルシフト」「政治体制や国際情勢」「産業構造と企業行動」「集中型から分散型」「人々の行動」「環境問題への意識」の6つのテーマで、それぞれの具体的例を紹介しています。

新たなイノベーションの扉を開く

 レポートの取りまとめを主導したNEDO TSCデジタルイノベーションユニットの紋川主任研究員は、「デジタル化と言うのは簡単ですが、システムを導入すればすぐに使えるかというと、そうではありません。どの部分をデジタルデータとして抽出するか、さらに、抽出したデータを解析することにより、生産性向上や新価値創造などにつなげられるかが課題となります。一方で、一度便利さを享受すると、後戻りはできません。DX(デジタルトランスフォーメーション)とともに、社会変化が生まれると予測しています」と続けます。非接触への対応が進む中、「徹底的にデジタル化を図ることで、逆にデジタル化できないものは何かを知ることも重要です。デジタル化の進展が遅れている日本であるからこそ、既存の枠組みにとらわれず、新しい挑戦ができるチャンスだと思っています。大企業だけではなく、中小ベンチャー等さまざまな企業が参画し、新しいイノベーションを創り出してもらえれば」と語りました。

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コロナ禍後に期待される社会変化はDX

 短信レポートでは、新型コロナウイルスの疫学的収束時期を、薬・ワクチンの開発や集団免疫の獲得の視点から3つのシナリオを想定し、それぞれ、感染症への対応と社会への影響を示しています。いずれのシナリオにおいても、感染抑制に効果的な非接触技術であるDXの進行は、今後期待される社会変化の中心になると予測しています。

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伊藤 智
NEDO技術戦略研究センター
デジタルイノベーションユニット長

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紋川 亮
NEDO技術戦略研究センター
デジタルイノベーションユニット
主任研究員

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