NEDO Web Magazine

人工知能技術適用によるスマート社会の実現

「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」プロジェクトの2021年度までの取組みについて、プロジェクト全体と11の委託先テーマ毎に分かり易く説明します。
推進されている方々が、現状の課題、目指す未来などについて自らの言葉で語っている動画のご紹介になります。
3つの重点分野ごとシリーズに分けて掲載、お届けいたします。今回は概要と「生産性」編です。

【プロジェクト概要】あらゆる人が質の高いサービスを受けられるスマート社会を実現する人工知能技術の研究開発と実証

人工知能技術戦略で定めた「生産性」、「空間の移動」、「健康、医療・介護」の重点分野において、AI 技術の社会実装を推進する研究開発を実施します。具体的には、これまで研究開発、導入が進められてきたAI モジュールやデータ取得のためのセンサー技術、研究開発インフラを活用しながら、サイバー・フィジカル空間を結合した、スマートな社会を実現するための研究開発・実証を行います。

本プロジェクトでは、日本の得意分野にAI 技術を応用することで競争優位性を確保するとともに、AI 技術の有効活用に不可欠な現場データの明確化と取得・蓄積・加工のノウハウを確立し、AI 技術の社会実装の先行的な成功事例を創出します。また、社会のさまざまなニーズにきめ細かく対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられる超スマート社会の構築を推進します。

【実施テーマ】

「生産性」

「健康、医療・介護」

「空間の移動」


~「生産性」編の動画をご紹介~


データコラボレーション解析による生産性向上を目指した次世代人工知能技術の研究開発

【背景と狙い】人工知能(AI)の発展に伴い、企業や自治体などの機関は個別に収集したデータを使い、サービス向上などに活用しています。複数の機関が協力してデータを出し合うことでデータ数の不足や偏りが解消され、より高性能な予測モデルを得ることが可能となり、新しい知見の発見や予測の精度向上などが期待できます。

本研究開発では、各機関・組織が保有するデータを一か所に集約させることなく人工知能が効果的にデータ解析を行う協調機械学習技術として、データコラボレーション解析(DC 解析)技術を開発します。データサイズの巨大化や秘匿情報保護、規格が異なるなど、データを統合して解析することが困難な状況において、元データを共有することなく解析を行う技術となります。特に医療・健康・金融分野を対象としてアルゴリズム開発と基盤プラットフォーム開発に取り組んでいきます。


AIによる植物工場等バリューチェーン効率化システムの研究開発

【背景と狙い】日本の農業就業者の平均年齢が毎年上がる一方で、就業者数は減少しています。異常気象や自然災害の影響も大きく、農業を取り巻く環境は厳しい状況です。また、食料の国内自給率を高める取り組みが様々な形で行われているにもかかわらず、生産量は年々減っているのが実態です。

本研究開発では、AI やIoT を使って、バリューチェーン全体を最適化・効率化することによって、業界全体の生産性と収益性の向上を目指します。まず、天候などの外部要因の影響が少ない植物工場を起点に研究を進め、その後、施設園芸や露地での高度な栽培へも適用することで、広く社会実装していくことを目指します。


農作物におけるスマートフードチェーンの研究開発

【背景と狙い】青果流通において、予約取引では商条件が安定する一方、供給を担保するために過剰生産が発生し、現物取引では一旦出荷すると生産者が価格決定に関与できず不利益を被るという問題があります。加えて、既知の指標(糖度等)だけでは、美味しさ等の消費者付加価値を十分に表現しきれていません。

本研究開発は、付加価値向上とサプライチェーン生産性の両方に着目したデータ連携を行い、「系全体としてプラットフォーム化」することで、新たなサービス導入を促進し、産業全の生産性を飛躍的に高めることを目指します。

◆NEDO公式HPはこちら

Top