Focus NEDO

NEDOは2024年12月より、日刊工業新聞の科学技術・大学面において、「NEDO未来展望~イノベーションを社会へ~」と題し、NEDOが推進しているプロジェクト等について、その概要や特徴、目標、現時点での成果等をプロジェクト等の担当者が執筆・紹介しています(年末年始を除く毎週水曜日に掲載)。当Web Magazineではバックナンバー記事を掲載します。

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【69】ディープテック 起業を伴走支援(2026年4月8日紙面掲載分)

現場の声で改善

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年に改訂された「日本再興戦略」において、技術シーズの迅速な事業化を促すため、新たなイノベーションの担い手として期待されるスタートアップの支援強化がうたわれて以来、10年以上にわたりディープテック分野におけるスタートアップ支援に取り組んできた。今回は、スタートアップ支援の起点ともいえる「起業したい!」思いを支援する活動、NEDO Entrepreneurs Program(NEP)事業を紹介したい。

2018年に開始したNEP事業は、現場の要望に応じて改善を重ねた「秘伝のタレ」のような事業である。現在は、開拓コースと躍進コースの二つを用意している。

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NEP事業の2つの支援コース

ノウハウ提供

開拓コースは、ディープテック分野の技術シーズを活用したアイデアを利用する起業前の個人(フロントランナー)が対象で、チームを組んでいる者も応募できる。採択されたフロントランナーは、NEDOが委嘱した支援人材によるハンズオン的な指導・助言を受けながら、自ら起業することも視野に、アイデアの事業化が可能か調査活動を行う。支援人材とビジネスモデルの構築に向けた活動を行い、その結果を報告書にまとめる。フロントランナーには、活動費として1年間にわたり月々謝金を支払う。10代から50代の幅広い世代が参加している。

一方、躍進コースは、起業前後の法人が対象だ。経験豊富なカタライザーによるビジネスモデルのブラッシュアップ、充実した研修、経理支援、そして多様な支援人材とのネットワーク構築など、事業化に向けた包括的な伴走支援が受けられる。これらの活動費として最大3000万円の補助金が交付される。

両コースに共通するのは、支援者による伴走支援と充実した多数の研修である。資金的な支援にとどまらず、経験や知識、体系的な理論に基づく起業・経営・事業化などのノウハウを提供することで起業初期の壁を乗り越えていただくためだ。

要望に柔軟対応

これまでの実績を見ると、開拓コースの終了後1年以内に起業をした者と1~2年以内に起業を予定する者が半数以上に上る。民間からの資金調達に成功した企業や、スタートアップを対象とする表彰を受賞した企業も生まれている。こうした成果は、起業の夢を伴走支援でかなえるという当初からの支援方針を維持しつつ、要望に応じてさまざまな支援策を継ぎ足すことで得られた。これからも、NEP事業の「秘伝のタレ」のうま味を高められるよう努めていきたい。

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分野紹介:「スタートアップ支援」分野

事業紹介:研究開発型スタートアップの起業・経営人材確保等支援事業 ※実施項目2 大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)

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NEDO
スタートアップ支援部
NEPチーム 主任
プロジェクトマネージャー
加藤 茉里(かとう まり)
神戸大学海事科学研究科博士前期課程修了。2018年NEDO入構。新エネルギー部(当時)にて風力・海洋エネルギー分野の事業を担当した後、イノベーション推進部(当時)にてスタートアップ支援を担当。社会人大学院生として慶応義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。2023年から現職。「研究開発型スタートアップの起業・経営人材確保等支援事業」のプロジェクトマネージャー。

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