Focus NEDO

NEDOは2024年12月より、日刊工業新聞の科学技術・大学面において、「NEDO未来展望~イノベーションを社会へ~」と題し、NEDOが推進しているプロジェクト等について、その概要や特徴、目標、現時点での成果等をプロジェクト等の担当者が執筆・紹介しています(年末年始を除く毎週水曜日に掲載)。当Web Magazineではバックナンバー記事を掲載します。

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【61】海外との脱炭素研究支援(2026年2月11日紙面掲載分)

内外の叡智結集

2020年1月に総合イノベーション戦略推進会議が決定した「革新的環境イノベーション戦略」は、2050年までに世界のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を可能にする革新的技術の確立を目標に掲げ、アクションプランの加速策として「国内外の叡智(えいち)の結集」を打ち出した。最先端研究の担い手は国内にとどまらないことから、世界に先駆けて革新的技術を実現するには、各国研究機関で検討されている研究開発テーマを、国際共同研究開発事業として推進し、従来とは異なる技術シーズを発掘・育成することが求められる。

こうした背景から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2020年度に「クリーンエネルギー分野における革新的技術の国際共同研究開発事業」を創設した(2023年度から先導研究プログラム「エネルギー・環境分野における革新的技術の国際共同研究開発」に継承)。

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NEDO先導研究プログラム「エネルギー・環境分野における革新的技術の国際共同研究開発」のイメージ

次世代技術育成

同事業は、日本の研究機関・大学などが海外の研究機関・大学などとの間で共同研究体制を構築し、二酸化炭素(CO2)大幅削減など気候変動問題解決に資する研究開発を行うことを支援する。2020~2021年度採択プロジェクトは2030年以降の実用化を、2022年度以降の採択プロジェクトは2040年以降の実用化をそれぞれ目指している。日本側事業者と海外事業者間の共同研究契約が必要だが、政府間の合意などは不要で迅速に国際共同研究を開始できる。

2024年度までに欧米やアジアなど18カ国の50大学・研究機関などと36プロジェクト(太陽電池、風力発電、バイオプロセス、水素製造、蓄電・蓄熱、革新的部材など)を実施している。2020~2021年度採択の22プロジェクトは3年間の支援期間を終えたが、外部有識者による終了時評価(研究開発成果や今後の展開などを審査)では8件がA評価を得ている。この中には、次世代型プラスチックの微生物生産技術がNEDOグリーンイノベーション基金事業へ継承移管した例や、次世代エンジン向けセラミックス複合材料が米国航空機ジェットエンジンメーカーとの共同研究につながった例などがある。

研究課題を設定

同事業では日本の戦略に沿った研究課題を設定して公募を行う。例年7~8月にRFI(情報提供依頼)を実施、12月に研究課題を決定、翌年1~3月に公募、6月に採択を決定している。今後も多数の応募があることを期待している。

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NEDO
フロンティア部
先導研究ユニット
国際共同研究開発チーム チーム長
古屋仲 茂樹(こやなか しげき)
京都大学大学院工学研究科修士課程修了。博士(エネルギー科学)。1993年工業技術院資源環境技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。資源リサイクリング技術(粉砕・物理選別など)の研究開発に従事。2024年5月からNEDO出向。先導研究プログラムにおける国際共同研究開発事業を担当。

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