NEDOは2024年12月より、日刊工業新聞の科学技術・大学面において、「NEDO未来展望~イノベーションを社会へ~」と題し、NEDOが推進しているプロジェクト等について、その概要や特徴、目標、現時点での成果等をプロジェクト等の担当者が執筆・紹介しています(年末年始を除く毎週水曜日に掲載)。当Web Magazineではバックナンバー記事を掲載します。
【60】若手研究者×企業 橋渡し(2026年2月4日紙面掲載分)
官民で発掘
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援する研究開発といえば、大企業が中心となって行うものが大半を占めるが、大学などに所属する若手研究者を支援する事業もあることはご存じだろうか。
大学の財政難の影響で不十分な研究環境に置かれる若手研究者を支援し、諸外国と比べ研究資金の拠出が少ない産業界が大学の機能・リソースを生かすよう促すのが「官民による若手研究者発掘支援事業」、通称「若サポ」と呼ばれる補助事業だ。
「官民による若手研究者発掘支援事業」(若サポ)のおもなフェーズ
2段階で支援
若サポの特徴は、大学の最先端の技術シーズと企業の事業化ニーズをマッチングさせる点にある。その支援策は、主に二つのフェーズから構成される。前段階のマッチングサポートフェーズでは、企業との共同研究の立ち上げに向け、研究資金の補助だけでなく、企業とのマッチングイベントや展示会など、企業側に技術をアピールする機会も提供する。2025年12月、アジア最大のオープンイノベーションイベントであるイノベーションリーダーズサミット(ILS)2025が開催された際には、NEDOの紹介により若サポの支援を受けた多くの若手研究者が参加し、企業との個別商談に臨み、ピッチやブースに登壇して将来の連携を呼びかけた。
中小にもつなぐ
マッチングサポートフェーズを経て共同研究などを実施する企業が見つかると、審査を経て後段階の共同研究フェーズに進むことができる。共同研究フェーズでは、企業が大学に拠出する共同研究等費と同じ額をNEDOが補助する(上限は年間3000万円)。なお、前段階のマッチングサポートフェーズの支援を受けていない研究者が、後段階の共同研究フェーズから支援を受けることもできる。
これまでに、北海道から九州まで、国立大学、私立大学を問わず幅広い研究者が採択されている。応募・採択された研究者の技術シーズがウェブサイトで公開されているので、産学連携を検討している企業の方は、ぜひ「若手研究者産学連携プラットフォーム」を検索いただきたい。共同研究などを実施する企業は大企業に限らない。今後は、地域の課題解決を目指す中小企業と地元の大学が連携する共同研究なども期待される。
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NEDO
フロンティア部
若手研究者支援ユニット 主事
上田 泰雅(うえだ たいが)
2023年東京理科大学卒業。科学技術の成果を社会に実装することに面白さと重要性を感じ、同年にNEDO入構。新領域・ムーンショット部総括グループに配属後、2024年7月のNEDO組織改編に伴いフロンティア部統括課に配属。2025年3月に現職。